2026年5月25日付け、財務省発行の零細企業向け会計制度に関する通達第58/2026/TT-BTC号

KMC Consulting Company Limited によって

1.適用対象

  • 零細企業中小企業支援に関する法令で定める基準に基づき零細企業と認定されるすべての企業に対し、本通達の適用が義務付けられます。なお、現行の零細企業の判定基準は、政令第80/2021/NĐ-CP号第5条に規定されています。
  • 個人事業主および個人事業者:個人事業主および個人事業者については、必要に応じて、本通達第58/2026/TT-BTC号を自主的に選択し、自らの事業における会計業務へ適用することが認められています。

2.会計組織体制

家族経営型事業における会計人材不足の解消を目的として、本通達においては以下のとおり規定されています。

  • 主任会計士の配置義務の免除:企業は主任会計士を配置する必要はなく、会計責任者を配置することができます。会計責任者は、会計証憑、会計帳簿および財務諸表について主任会計士に代わり署名する権限を有します。
  • 会計担当者の要件緩和

    零細企業は、以下の者を会計担当者として配置することができます。

    • 法定代表者または事業責任者の親族(父母、配偶者、子、兄弟姉妹等)
    • 管理者、倉庫管理者、出納担当者、資産購入・売却担当者
    • 外部会計サービス提供者

3.会計制度適用の原則

  • 納税方式に基づく会計処理:企業は、自社が適用するVATおよび法人税の納税方式に応じて、適切な会計帳簿を作成しなければなりません。
    • 継続適用の原則:会計制度の適用または変更は、一会計年度を通じて継続して適用する必要があります。変更は、翌会計年度の開始日からのみ実施可能です。
    • 書式に関する自主性:企業は、自社の事業実態に合わせて証憑および会計帳簿の様式を追加・修正・補足することができます。ただし、会計法に基づき、真実性、透明性および適法性を確保しなければなりません。
    • ITシステムの活用:企業が電子インボイスを利用し、税務当局システムにより納付税額の算定支援を受けている場合、本通達で規定された会計帳簿のみを使用して管理および照合作業を行うことができます。

4.納税方式別の会計帳簿

本通達では、会計帳簿制度を簡素化し、従来の複雑な勘定科目(借方・貸方)を使用せず、納税者は現金、売上高および費用に関する項目を直接記録するのみで足りるものとされています。主な4つの納税方式に適用される会計帳簿の一覧は以下のとおりです。

(1) VATおよびCITを売上高に対する一定割合(%)により納付する場合

  • 会計証憑:売上高を確定する根拠として、インボイスおよび会計法・税法の規定に基づくその他の会計証憑を使用するものとされています。
  • 使用する会計帳簿は1種類のみであり、「商品・サービス売上帳」(様式番号 S1-DNSN)を使用するものとされています。

(2) VATを売上高割合方式、CITを課税所得方式で納付する場合

  • 会計証憑:売上高、収入、費用ならびに当期における納付すべき付加価値税(VAT)および法人税(CIT)の額、ならびに納付済税額を確定する根拠として、インボイス、インボイスのない商品・サービス購入明細表および会計法・税法の規定に基づくその他の会計証憑を使用するものとされています。
  • 使用する会計帳簿は以下の4種類とされています。
    • 商品・サービス売上帳(様式番号 S2a-DNSN)
    • 収益・費用明細帳(様式番号 S2b-DNSN)
    • 原材料・工具器具・製品・商品明細帳(様式番号 S2c-DNSN)
    • 現金出納明細帳(様式番号 S2d-DNSN)

(3) VATを控除方式、CITを売上高割合方式で納付する場合

  • 会計証憑:売上高を確定する根拠として、インボイス、インボイスのない商品・サービス購入明細表および会計法・税法の規定に基づくその他の会計証憑を使用するものとされています。
  • 使用する会計帳簿は以下の2種類とされています。
    • 商品・サービス売上帳(様式番号 S3a-DNSN)
    • VAT納税管理帳(様式番号 S3b-DNSN)

(4) VATを控除方式、CITを課税所得方式で納付する場合

  • 会計証憑:売上高、収入、費用ならびに当期において納付すべき付加価値税および法人税の額、ならびに納付済税額を確定する根拠として、インボイス、インボイスのない商品・サービス購入明細表および会計法・税法の規定に基づくその他の会計証憑を使用するものとされています。

5.財務諸表

  • 法人税を課税所得方式により算定・納付する場合は、法令に別段の定めがある場合を除き、通達第58/2026/TT-BTC号の規定に従って財務諸表を作成しなければなりません。
  •  企業が作成する財務諸表は以下のとおりです。
    • 財政状態計算書(様式番号 B01-DNSN)
    • 損益計算書(様式番号 B02-DNSN)

提出期限: 会計年度終了日から90日以内。

  • 法人税を商品・サービス売上高に対する一定割合(%)により納付する場合は、他の法令に別段の定めがある場合を除き、所轄官庁へ提出するための財務諸表の作成は義務付けられていません。

6.会計帳簿残高の引継ぎ

  • 通達第132/2018/TT-BTC号の規定に基づく各勘定科目の残高を基礎として、通達第58/2026/TT-BTC号を適用する際に関連する会計帳簿へ残高を引き継ぐものとされています。
  • 付加価値税 (VAT)または法人税(CIT)の納税方式の変更、あるいは中小企業向け会計制度の適用開始または適用中止等により適用する会計制度を変更する場合には、変更前の会計帳簿における期末残高を基礎として、変更後の対応する会計帳簿の期首残高へ適切に引き継ぐものとされています。
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