2026年6月30日付け2025年個人所得税法の施行ガイドラインに関する政令第253/2026/NĐ-CP号
以下は、本政令における主な改正点・注目点です。
KMC Consulting Company Limited によって
1. 課税所得について
政令第253/2026/NĐ-CP号第6条に基づく、個人所得税の課税所得として、事業所得、給与・賃金所得、投資所得、資本譲渡所得、不動産譲渡所得、賞金所得、著作権使用料所得、フランチャイズ所得、相続・贈与所得およびその他の所得が規定されています。
また、居住者および非居住者の課税所得の範囲について以下のとおり定めています。
- 居住者に関しては、所得の支払地または受領地を問わず、ベトナム国内外において発生した所得が課税対象となります。
- 非居住者に関しては、所得の支払地または受領地を問わず、ベトナム国内において発生した所得が課税対象となります。
なお、政令第253/2026/NĐ-CP号の規定に基づく、所得の支払地・受領地を問わず課税対象となる所得の範囲を明確化するとともに、ベトナム社会主義共和国が租税条約(二重課税防止協定)を締結している国・地域に関しては、当該協定の規定に従って取り扱うことを規定しています。
2. 昼食・中食手当の非課税限度額の引上げ
政令第253/2026/NĐ-CP号第8条2項g点により、雇用者が従業員に支給する中食手当または昼食手当のうち、1人当たり月額1,200,000VNDを超える部分は、個人所得税の課税所得に算入されます。
3. 退職手当は課税所得に算入されません
政令第253/2026/NĐ-CP号第8条3項i点により、企業が財務規程、社内規程、労働契約または労働協約において、労働法で定める水準を上回る退職手当または失業手当を支給する旨を定めている場合、当該法定水準を超えて実際に支給された金額についても、個人の課税所得には算入されません。
現行制度において、労働者が受け取る退職手当が2019年労働法において定める水準を超える場合、当該超過部分は個人所得税の課税対象となります。
4. 時間外・深夜勤務手当の非課税要件
政令第253/2026/NĐ-CP号第26条により、労働法に定める条件および労働時間に適合する深夜勤務手当、時間外勤務手当ならびに年次有給休暇を取得しなかった日数に対して支払われる賃金は、個人所得税の非課税所得となります。
留意事項: 所得を支払う組織または個人は、深夜勤務時間、時間外勤務時間および従業員に支払った深夜勤務手当・時間外勤務手当を明確に記載した一覧表を作成しなければなりません。別途一覧表を作成しない場合は、給与台帳、勤怠記録、労働契約その他の適法な資料により、勤務先における深夜勤務・時間外勤務に係る賃金・給与であることを証明する責任を負います。
5. 扶養控除対象者の追加
政令第253/2026/NĐ-CP号により、扶養控除の対象として、18歳以上の子(実子、法令に基づく養子、配偶者の連れ子を含む)について、以下のいずれかに該当する場合が新たに追加された。
- 民事行為能力を喪失した者
- 障害者
- 労働能力を喪失した者
6. 1回当たり5,000,000VND以上の臨時所得に対する個人所得税10%の源泉徴収
政令第253/2026/NĐ-CP号第50条に基づき、源泉徴収に関して、労働契約を締結していない居住者、または契約期間が3か月未満の労働契約を締結している居住者(労働契約終了後に給与その他の所得の支払いを受ける場合を含む)が、1回当たり5,000,000VND以上の所得(臨時所得)を受け取る場合、支払前の所得金額に対して10%の個人所得税が源泉徴収されます。
7. 医療費・教育費について最大4,700万ドンの所得控除を適用
政令第253/2026/NĐ-CP号第49条2項によると、居住者である納税者は、給与・賃金所得に係る課税所得の計算に当たり、納税者本人および扶養親族の医療費ならびに教育・研修費について、以下の範囲で所得控除を受けることができます。
- ベトナム国内の医療機関における診療費・治療費のうち、公的医療保険の給付対象となる診療項目に係る費用について、年間合計23,000,000ドンを上限として所得控除を受けることができます。
- ベトナム国内の教育・研修機関に支払った教育・研修費について、年間合計24,000,000ドンを上限として控除可能。対象には、就学前教育、普通教育、職業教育、高等教育に係る授業料および教育・研修機関におけるその他の専門技能訓練費用が含まれます。
<留意事項>
当該控除を適用するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 法令に基づくインボイス・証憑を有していること。なお、医療費については、保健大臣の規定に基づく医療機関発行の診療・治療費明細書を併せて備える必要があります。
- 控除対象となるインボイス・証憑には、納税者本人または扶養親族の情報が記載されていること。
- 当該費用が、他の財源(補助金、助成金、第三者による負担、国家予算、社会保険、公的医療保険、その他保険給付等)により支払われていないこと。
<施行日>
政令第253/2026/NĐ-CP号は、2026年7月1日より施行されます(ただし、居住者の事業所得および給与・賃金所得に関する規定は、2026年度の課税期間から適用されます)。