外国投資企業(FDI企業)の支店設立に際して留意すべき点とは?貴社は外国投資企業(FDI企業)の経営者として、ベトナム市場への事業拡大を検討されていませんか。
しかし、支店設立の手続きや要件に関して不明点が多く、専門的な支援を必要とされているかもしれません。
本稿では、KMCがFDI企業に向けて、支店設立に関する法的条件および手続きの詳細なガイドラインを解説し、併せて支店設立の全過程を一括でサポートする信頼できるサービス提供者の選定方法についてもご紹介いたします。
会社支店とは?
支店とは、企業に従属する組織であり、企業の機能の全部または一部を遂行する機関です。委任による代表機能を含む場合もあります。支店は、本社に対して「独立会計」または「従属会計」を選択する権限があり、これは税務上の義務に大きく影響する重要なポイントです。本稿では後ほど詳しく分析いたします。
ベトナムにおける外国企業支店設立の条件
政令07/2016/ND-CP第8条によれば、外国企業が支店設立許可証を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 外国商人は、ベトナムが加盟する国際条約に参加している国家・地域の法律、またはその国・地域において認められた法令に基づき設立・営業登録されていること。
- 外国商人は、設立または登録日から少なくとも5年間活動していること。
また、企業法2020年第45条の規定により、企業は国内外に支店や駐在員事務所を設立する権利を有しています。主な条件は以下のとおりです。
- 支店の事業内容は、企業が登録した事業内容に適合していること。
- 支店の所在地は合法であり、番地、通り名(路地名)、または村・坊・町、郡・区、市、中央直轄市、省名など明確な住所を有すること。
- 支店名称は、[企業名] +「支店」+ [支店を設置する省または中央直轄市の名称] の形式で命名すること。(例:KMC ダナン支店)
ベトナムにおける外国企業支店設立の申請書類
支店設立申請書類一式
外国会社のベトナム支店設立申請書類(政令第07/2016/NĐ-CP第12条による)
政令第07/2016/NĐ-CP第12条に基づき、外国会社がベトナムに支店を設立する際の申請書類は以下のとおりです。
商工省の所定様式による「支店設立許可申請書」で、外国商人の権限ある代表者が署名したもの。
外国商人の「営業登録証」またはそれに相当する有効な書類の写し。
外国商人による支店長の任命・指名書。
外国商人の最新会計年度に係る「監査済み財務諸表の写し」、または「税務もしくは財務義務履行状況確認書」、もしくはこれに相当する書類で、外国商人の設立国の権限ある機関または組織が発行・確認したもの。これにより、当該外国商人が直近の会計年度において実際に存続・活動していることを証明するもの。
支店の「運営規程」の写し。
支店長の「旅券(パスポート)」の写し。または、ベトナム人である場合は「身分証明書」もしくは「市民識別カード」の写し。
注意: 上記すべての書類は、ベトナム語に翻訳し、ベトナム法の規定に従って認証を受ける必要があります。また、ベトナム法の定めに従い領事認証を行わなければなりません。
支店予定所在地に関する資料:
支店所在地の使用に関する「覚書」「賃貸契約書」、または「商人が当該所在地を使用・利用する権限を有することを証明する書類」の写し。
支店の予定所在地に関する資料の写し。
その他:
外国企業が他者に手続きを委任する場合は、「委任状を提出する必要があります。
ベトナムにおける外国会社支店設立手続き
政令第07/2016/NĐ-CP第13条に基づく外国会社支店設立の手続き
外国商人によるベトナム支店設立の手続きは、政令第07/2016/NĐ-CP第13条の規定に従い、以下のとおり行われます。
1. 申請書類の提出
外国商人は、支店設立許可申請書類を以下のいずれかの方法で提出します。
直接提出、
郵送による提出、
または条件を満たす場合にはオンラインにより提出します。
提出先は、**支店設立許可を発給する権限機関(商工省)**です。
2. 書類の確認および補正要求
商工省は、書類を受領した日から3営業日以内に審査を行い、不備または不適法な場合は補正を求めます。
補正の要求は、審査手続全体を通じて1回のみ行うことができます。
3. 支店設立手続きの基本的な流れ
ステップ1:支店設立申請書類の提出
外国商人は、商工省に対して申請書類を直接、郵送、またはオンラインで提出します(条件を満たす場合)。
ステップ2:書類の確認
商工省は、書類受領日から3営業日以内に内容を確認し、不備がある場合には補正を求めます。
ステップ3:審査および許可証の発行
商工省は、適法な書類一式を受領した日から7営業日以内に審査を行い、要件を満たす場合には「支店設立許可証」を発行します。
許可を発行しない場合には、その理由を明記した書面により申請者に通知します。
留意事項(特記事項)
支店の活動内容がベトナムの国際約束(WTO等)に適合しない場合、または外国商人がベトナムが締結する国際条約に加盟していない国・地域に属する場合、商工省は申請書類の受領日から3営業日以内に、所管専門省庁に対し文書で意見を照会します。
専門省庁は、商工省からの照会文書を受領した日から5営業日以内に、支店設立の許可に関する同意または不同意の意見を文書で回答します。
商工省は、専門省庁から回答を受領した日から5営業日以内に、外国商人に対し支店設立許可証を発行するか、または発行を拒否する決定を行います。
許可を行わない場合には、その理由を明記した文書を発行しなければなりません。
支店設立後に行うべき手続き
支店設立許可証を受領した後、企業が合法的に活動を開始するためには、以下の手続きを速やかに行う必要があります。
管轄税務機関に対して初期税務申告を行います。
付加価値税(VAT)の計算方法を登録し、併せて会計制度の選択・登録を行います。
支店の印章(会社印)を作成し、所定の手続きに従って印章届出を行います。
必要に応じて、支店名義の銀行口座を開設します。
支店所在地に看板を掲示します。
業種によっては、条件付き営業分野の登録・許可手続きを行う必要があります。
外国会社がベトナムで支店を設立する際の留意点
外国投資企業(FDI企業)がベトナムで支店を設立する場合、以下の点に留意する必要があります。
支店設立許可が発行されない主なケース
商工省は、次のいずれかに該当する場合、外国商人に対して支店設立許可を発行しません。
外国商人が支店設立の条件を満たしていない場合。
提出書類が不適法であり、商工省の求めに応じて補正を行わなかった場合。
外国商人が、支店設立許可を取消された日から2年以内に再度申請を行った場合。
国防、安全保障、社会秩序、公衆の安全、社会倫理または公衆衛生上の理由により、外国商人の支店設立が法律で制限されている場合。
外国商人のベトナム支店設立許可の有効期間
外国商人のベトナム支店設立許可の有効期間は、最長5年間とされます。ただし、外国商人の「営業登録証」またはそれに相当する書類に有効期間の定めがある場合は、当該残存期間を超えることはできません。
支店設立許可は、前回の許可期間と同一の期間で**更新(再発行)**することが可能です。
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